女のネットワークを舐めない方がいい、男の悪事は全て筒抜けであるある
夜、友人から電話がかかって来た。開口一番「ちょっと、そういえば聞いてよ。あいつらヨリもどしやがったのね!」ちょっと感情的だけれどこちらには感情的になっていないと思わせたいような、自分に言い聞かせるようなガッカリしたような、とにかくマイナスのオーラがただよう声で、無理に淡々とした口調で彼女は言った。
「ああ、うん」私は冷静にあいづちを打つ。あいつらというのは私達の共通の友人カップルのことで少し前に別れていた。6年だか7年だか付き合っていたのに突然の破局。別れは男の方が一方的につきつけたもので、別れた直後、女の方はそれなりに泣いたり喚いたりだったらしい。しかし、あとあと聞いた限りでは別れた後もいわゆる「彼氏彼女」の肩書きを解消しただけの状態が続いていたのだそうだ。
他の人にうつつを抜かして一方的に別れておいて、結局その人とうまくいかなかった男は女のところに、カラダだけ帰ってきた。元カノで性欲処理である。別れに納得していなかった女はそれを受け入れた。受け入れればとりあえず男は自分の所にいてくれるのだから。やがて結局ふたりが紆余曲折を経て最近「彼氏彼女」に戻ったのだと私は聞いていたのだが、友人が「全然知らなかった」と憤慨した。
友人は男に以前から横恋慕していた。だから別れた時には万々歳で、その後から男に猛アタックをかけていた。私は、実は別れる前に男から他の人ができたことで相談を受けていたし、別れたあとに元カノで性欲処理をしている一連の経過と、男の身勝手さを把握していたので、友人に口を酸っぱくして「あいつはやめておけ」と言っていたのだが、恋に突っ走った友人はそれに耳を貸さなかった。そして最近男の家に外泊して男女の関係になったという。
ところが今日ふいに女とバッタリ会ってヨリを戻したことを聞かされた。心の底では猛烈に驚きつつも友人はグッとこらえて、女のノロケ話からことの流れを割り出した。すると、つまるところが友人とセックスをした日は、すでに女とヨリを戻していたのだ。友人は男から何も聞いておらず全く知らなかったと。
自分が悪いことをしたことになったじゃないか!何も教えてくれないでセックスだけしてどういうつもりだ!自分に対する何たる不誠実!と友人はさんざん電話口で男を罵った。あげくに泣きながら愚痴をこぼし始めたので、私は仕方なく、友人が泣きやむまで付き合ってやった。完全なる自業自得だが私は友人の友なのだ。
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